■『日米地位協定-在日米軍と「同盟」の70年』山本章子 (中公新書)

日米地位協定は、在日米軍の基地使用、行動範囲、米軍関係者の権利などを保証したものである。在日米軍による事件が沖縄などで頻発するなか、捜査・裁判での優遇が常に批判されてきた。冷戦崩壊後、独伊など他の同盟国では協定は改正されたが、日本はそのままである。
本書は、日米関係と在日米軍の戦後70年の軌跡を追う。実際の運用が非公開の「合意議事録」で行われてきた事実など、日本が置かれている「地位」の実態を描く。

1945年の敗戦後,朝鮮戦争を経て1951年サンフランシスコ条約以後に日本は国際社会に組み入れられた。同時に日米安保条約締結。軍備放棄の憲法9条を抱えて,安全保障のために相当な規模の米軍が駐留することになった。その権利義務の詳細を定めるのが「地位協定」。近年に至って,ようやくその内容が少しずつ明らかにされつつある。

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 中央公論新社
  • 価格: 840円+税
  • ISBN-13: 978-4121025432
  • 発売日: 2019/5/21